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投資について発信している弾正少弼です。
(投稿2026年2月)
今回は、アメリカ PCEデフレータ(価格指数) の振り返りです。最初に まとめ から
2025年12月の振り返り記事を読んだあなたは、1項を飛ばしてもOKです。
2月20日の発表は、物価指数の上振れとGDPの大幅な下振れが重なり、市場には「インフレの粘着性」と「景気減速」への警戒感が広がる内容となりました。
PCEデフレータとは
この指標は、米国の個人消費者が購入した品目の物価変動を測ります。PCE(Personal consumption expenditures、個人消費支出)は、米国のGDPの約7割を占める重要な要素です。名目PCEを実質PCEで割ると、PCEデフレータが算出されます。PCEデフレータは、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策を決定する際に重視する指標で、インフレの長期的な目標水準はPCEデフレータの前年比2%上昇とされています。PCEデフレータには、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたコア指数と、すべての品目を対象とした総合指数があります。市場では、コア指数の方が注目されます。PCEデフレータと似た指標にCPI(消費者物価指数)がありますが、PCEデフレータは調査対象が広く、低価格品への代替行動なども考慮されるため、実際の物価動向をより正確に反映していると言われています。
PCEデフレータは、米国のインフレターゲットの対象として利用されます。
年8回開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)のうち半分の4回では、FOMC参加メンバーによる経済見通し(プロジェクション)が示されますが、その際に物価見通しの対象となっています。
PCEデフレータは、変動の激しい食品とエネルギーを除いた数字をコアPCEデフレータとして同時に発表します。FOMCメンバーによる物価見通しでは、両方の数字が示されます。
PCEデフレータは、一般的に重要視されるCPIに比べて、調査対象となる範囲が広いです。また、CPIが消費者調査によるデータを基にしているのに対して、PCEデフレータは企業調査によるデータを基に算出されます。
PCEデフレータは、短期間に生じた消費行動の変化についても調整します。CPIでは調整が行われない場合がありますが、PCEデフレータは代替品などによる行動変化を考慮します。また、雇用者や政府などが消費者のために支出した金額の変化についても対象に含みます。CPIは対象としません(医療費の政府支出分など)。
PCEデフレータは、対象の広さや算出式の違いなどから、CPIに比べて発表が遅くなります。また、指数はCPIのほうが高くなることがほとんどです。
PCEデフレータは、毎月の個人支出・個人所得などと同時に月次データとして発表されます。また、四半期GDP発表時には四半期ベースのデータも発表されます。
【CPIとPCEの違い】
CPIは都市部のみを調査対象としていますが、PCEデフレータは全国を調査対象としています。特に、農村部を含めるかどうかという点が差異の一つです。また、CPIは家計調査で報告された消費者の購買データに基づいていますが、PCEデフレータは企業調査の小売販売データに基づいています。
もう一つの大きな違いは「医療費」などのデータです。CPIは自己負担分だけを対象にしていますが、PCEデフレータは全額(自己負担+企業や政府が支払った分)を対象にしています。さらに、CPIは一定期間、調査対象の品目が固定されており、価格変化や新商品の発売などで消費者の行動が変わってもそれを調査に反映できません(品目や重み係数は定期的に見直されますが、タイムラグがあります)。そのため、CPIで調査した価格には上昇圧力がかかりやすいと言われています。一方、PCEデフレータは消費者の行動変化も考慮するように調整されており、より実態に近いとされています。また、CPIと比べて住居費の割合が小さいなど重み係数の違いもあります。総じて、CPIの方がPCEよりも値が大きくなりやすいという特徴があります。
PCEの推移
📊PCE価格指数の結果まとめ(12月分)
全体として市場予想を上回る強い数字となり、インフレ鎮静化のペースが鈍っていることが示されました。
| 指標 | 結果 | 予想 | 前回 (11月) |
| PCE価格指数(前月比) | 0.4% | 0.3% | 0.2% |
| PCE価格指数(前年比) | 2.9% | 2.8% | 2.8% |
| コアPCE価格指数(前月比) | 0.4% | 0.3% | 0.2% |
| コアPCE価格指数(前年比) | 3.0% | 2.9% | 2.8% |
ポイント:
- コア指数が3%台に再浮上: FRBが最も重視するコアPCE(食品・エネルギーを除く)が前年比3.0%となり、目標の2%から依然として距離があることが浮き彫りになりました。
- GDPの失速: 同時に発表された10-12月期GDP速報値は前期比年率+1.4%(予想2.8%)と大幅に鈍化。物価高と景気減速が共存する「スタグフレーション」的な懸念を誘うデータとなりました。
今後の米国株の見通し
今回の結果を受けて、市場のムードは「早期利下げ期待」から「高金利の長期化(Higher for Longer)」への警戒へとシフトしています。
短期的な視点:調整局面への警戒
- 利下げ観測の後退: 3月の利下げ確率は低下し、利下げ開始時期の予想が夏以降にずれ込む動きが出ています。金利高止まりは、特にハイテク株などの高PER銘柄にとって逆風となります。
- ボラティリティの拡大: VIX指数(恐怖指数)が一時20を上回るなど、投資家のリスク回避姿勢が強まっています。
中長期的な視点:業績相場への移行
- 二極化の進行: マクロ指標が冴えない中、株価を支えるのは「企業の稼ぐ力」です。来週以降、**エヌビディア(NVDA)**などの主要企業の決算が控えており、AI関連や強固なファンダメンタルズを持つ銘柄への選別投資が加速するでしょう。
- 景気後退リスクの精査: GDPの低成長が一時的なもの(政府支出の減少等)か、あるいは本格的な消費減退によるものか、今後の経済指標での確認が必要となります。
注目スケジュール
- 2月25日: エヌビディア(NVDA)、セールスフォース(CRM)等の決算発表
- 3月13日: 次回PCE価格指数の発表
⭐🇺🇸米国市場まとめ(2/20)
①PCE:3.0%(インフレ止まらず)
②GDP:1.4%(景気急ブレーキ)
③トランプ関税違憲の混乱
④結論:スタグフレーション懸念で株価急落
市場は「3月利下げ」をほぼ諦め、夏以降に期待を先送り。
✅戦略
・高PER銘柄の深追いは禁物
・ディフェンシブ、あるいは業績ガチガチのAI銘柄に集中
・まずは来週のエヌビディア決算を待て
相場は一旦、冬の時代へ。
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