こんにちは、当ブログをご覧くださりありがとうございます。
投資について発信している弾正少弼です。
(投稿2026年6月)
今回は、プライベートクレジットからCLO上場投信にシフト です。
これまで高利回りを武器に爆発的な急成長を遂げてきた「プライベートクレジット(非公開市場での企業向け直接融資)」に一部で警戒感が強まり、より流動性が高く透明な「CLO(ローン担保債券)のETF(上場投資信託)」へ投資家の資金がシフト(鞍替え)している動きについて
市場で何が起きているのか、3つの大きな背景に分けて整理します。
プライベートクレジットの「急拡大の歪み」と警戒感
プライベートクレジット市場は、銀行の融資規制を隙間を埋める形で急成長し、市場規模は世界で1.8兆ドル(約280兆円)を超える巨大市場に過熱しました。しかし、ここにきていくつかの懸念が表面化しています。
- 特定セクターへの懸念(ソフトウエア等) プライベートクレジットの融資先として人気だったソフトウエアやテック関連企業で、一部業績悪化や売りが出たことで「本当にこのままの利回りが維持できるのか」という懸念が浮上しています。
- 不透明性と流動性リスク 非公開市場であるため、融資先の本当の財務健全性(デフォルトリスク)が見えにくいという弱点があります。また、一度投資すると数年間は資金を動かせない「ロックアップ(解約制限)」があるため、市場の変調時にすぐ逃げられないリスクを投資家が嫌気し始めました。
なぜ今「CLO上場投信(ETF)」が選ばれているのか?
プライベートクレジットから流出した資金、あるいはそこに投資するのを躊躇した資金の受け皿になっているのが、CLO(Collateralized Loan Obligation)を組み入れたETFです。選ばれる理由は明確です。
- 圧倒的な「日次流動性」と透明性 プライベートクレジットが数年縛りの投資であるのに対し、CLO ETFは市場で毎日いつでも売買が可能です(日次流動性)。ポートフォリオの開示も義務付けられているため、透明性が非常に高いです。
- 「格付け」と構造的な安心感(AAAトランシェへの集中) CLOは複数のローンを束ねて証券化したものですが、その中でも最も安全性が高く、最初に元本が返済される「AAA」という最上位クラス(トランシェ)のCLO ETFに資金が集中しています。投資家は「利回りは欲しいが、リスクは極力抑えたい(クオリティへの逃避)」と考えています。
- 変動金利(フローティング・レート)の魅力 CLOの裏付けとなるローンは変動金利であるため、金利が高止まりする環境下でもインカム(金利収入)をしっかり確保できる点が、債券投資家にとって引き続き魅力的です。
「投資の民主化」による受け皿の拡大
もう一つのインフラ的な背景として、CLO ETFという金融商品の選択肢が急速に充実してきたことが挙げられます。
これまでは、CLOもプライベートクレジットも、一部の限られた機関投資家や超富裕層(適格投資家)しかアクセスできない「クローズドな世界」でした。しかし、大手運用会社(Janus HendersonやBlackRockなど)がここ数年でCLO ETFのラインナップを拡充したことで、一般の投資家でも手軽に、かつ低コストでこの高利回り資産にアクセスできるようになりました。
💡 まとめると 「中身が見えにくく、いざという時に解約できないプライベートクレジットは少し怖い。それなら、毎日売買できて、最上位格付け(AAA)の安心感があり、なおかつ高利回りを維持できるCLOのETFに乗り換えよう」という投資家の**「リスク回避(選択的投資)」と「流動性の重視」**が、今回の資金流入の正体です。
CLOを組み入れた米国上場ETF(上場投資信託)は、ここ数年で資産規模が爆発的に拡大しており、いくつかの巨大ファンドが市場を牽引しています。
投資家が求める「リスク許容度」に応じて、主に「最高格付け(AAA)に特化した極めて安全性の高いファンド」と、「少しリスクを取って高利回りを狙うファンド」の2つに大別されます。代表的なティッカー(銘柄コード)を以下にまとめます。
最上位格付け(AAA)に特化した代表的ETF
プライベートクレジットからの「クオリティへの逃避(より安全な資産への乗り換え)」の受け皿になっている主役たちです。デフォルト(債務不履行)リスクが極めて低く、分配金利回りは概ね4.5〜5.5%前後で推移しています。
🥇 JAAA(Janus Henderson AAA CLO ETF)
- 特徴: 世界最大・市場シェアの過半数を握る、CLO ETF界の圧倒的ガリバーです。純資産総額(AUM)は280億ドル(約4兆円以上)に達しています。
- 運用: アクティブ運用で、厳選された米ドルのAAA格付けCLOのみに投資します。流動性が極めて高く、機関投資家から個人投資家まで幅広く使われています。
🥈 PAAA(PGIM AAA CLO ETF)
- 特徴: JAAAを猛追する、資産規模100億ドル突破の巨大ファンド。
- 運用: 大手運用会社大手のPGIM(プルデンシャル・ファイナンシャル傘下)が運用。JAAAと同様に「JPモルガンCLOIE AAAインデックス」をベンチマークとし、安全性を最優先したポートフォリオを構築しています。
🥉 CLOA(iShares AAA CLO Active ETF)
- 特徴: 世界最大のETFプロバイダーであるブラックロック(iShares)が手掛けるAAA格付け特化型ETF。
- 運用: 経費率が0.20%と低く抑えられており、大手ブランドの安心感とコスト効率の良さから資金流入が続いています。
利回り重視型(インベストメント・グレード〜下位トランシェ)
「AAA格付けだけでは物足りない、もう少しリスクを取ってでも6〜8%以上の高い利回りが欲しい」という投資家に選ばれているETFです。
🔹 CLOZ(Panagram BBB-B CLO ETF)
- 特徴: 主に「BBB」や「BB」といった、CLOの中では中位〜下位に位置するトランシェ(メザニン階層)に投資します。
- メリット: AAA特化型に比べて分配金利回りが一段と高いのが魅力です。ただし、景気後退局面では裏付けとなるローンのデフォルト影響をAAAよりも受けやすいため、リスク管理が必要です。
🔹 CLOI(VanEck CLO ETF)
- 特徴: AAAからBBB格付けまで、投資適格(インベストメント・グレード)のCLOに幅広く分散投資するバランス型です。
主な銘柄の比較まとめ
| ティッカー | ファンド名 | 主な投資対象 | 経費率 | 特徴 |
| JAAA | Janus Henderson AAA CLO ETF | AAA格付けのみ | 0.20% | 市場最大。圧倒的な流動性と安心感。 |
| PAAA | PGIM AAA CLO ETF | AAA格付けのみ | 0.19% | 急成長中の純資産100億ドル超えファンド。 |
| CLOA | iShares AAA CLO Active ETF | AAA格付けのみ | 0.20% | ブラックロックが運営する大手の安心感。 |
| CLOI | VanEck CLO ETF | 投資適格(AAA〜BBB) | 0.40% | 格付けを分散させたマイルドな利回り型。 |
| CLOZ | Panagram BBB-B CLO ETF | 中下位(BBB〜BB) | 0.50% | リスクを取って高利回りを狙うタイプ。 |
📌 投資を検討する際の一注意点
これらのETFはすべて米国市場に上場しているため、日本の証券会社(楽天証券やSBI証券など)でも購入可能ですが、日本の法律に基づく「国内店頭取引」ではなく**「外国株式・海外ETF」**の扱いとなります。取扱銘柄は各証券会社によって異なるため、注文前にティッカー(JAAAなど)で検索して取扱状況を確認することをおすすめします。
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