大手銀、Ｇ７通貨連動のステーブルコイン構想

こんにちは、当ブログをご覧くださりありがとうございます。
投資について発信している弾正少弼です。
（投稿2025年10月)
今回は、大手銀、Ｇ７通貨連動のステーブルコイン構想です。

この報道の背景には、銀行業界によるステーブルコイン市場への本格参入と、規制整備の進展による機会拡大があります。特に米国の「GENIUS法」成立が大きな後押しとなっています。
以下に、構想の背景と意義を整理します：

🏦 構想の概要と参加銀行

参加銀行は世界の大手10行：三菱UFJ銀行、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、シティグループ、ドイツ銀行、UBSなど。
G7通貨（ドル、ユーロ、円など）に連動するステーブルコインを、パブリックブロックチェーン上で発行する構想。
各通貨に対して1対1の準備金で裏付けられたデジタルマネーを提供することで、信頼性と安定性を確保。

📈 背景①：ステーブルコイン市場の急成長

現在のステーブルコイン市場は約3,100億ドル規模で、テザー（USDT）が約半分を占める。
これまでの市場は仮想通貨ネイティブ企業（テザー、サークルなど）が主導してきたが、銀行の参入で信頼性と規模が変わる可能性。

📜 背景②：米国「GENIUS法」の成立

2025年7月にトランプ大統領が署名したGENIUS法が、銀行によるステーブルコイン発行を合法化。
この法案は、決済型ステーブルコインの発行・管理に関する初の連邦法であり、銀行にとって明確なルールが整備された。
施行は約15カ月後と見込まれるが、銀行業界の動きを加速させる契機となった。

🧩 背景③：金融インフラの変革と競争促進

銀行側は「規制遵守とリスク管理を徹底しつつ、デジタル資産の利点を享受し、市場競争を促進する」と声明。
ステーブルコインは国際決済の効率化、コスト削減、透明性向上に寄与する可能性があり、既存の金融インフラを補完・刷新する狙い。

🇯🇵 日本の文脈：MUFGの戦略的関与

三菱UFJ銀行は、Progmat Coinなど国内ステーブルコイン基盤の開発にも積極的であり、今回の国際構想への参加はその延長線上。
日本円建てステーブルコインの実現に向けた動きも並行して進行中。

この構想は、銀行業界が仮想通貨領域に本格的に踏み込む象徴的な動きであり、規制と信頼性を武器に、既存のステーブルコイン市場に挑戦する試みです。「デジタル金融と制度設計の交差点」として、今後の展開は非常に注目に値します。

つづいて、「GENIUS法」について
「GENIUS法」とは、米国で成立したステーブルコインに関する包括的な連邦規制枠組みを確立する法律です。この法律は、ステーブルコインの発行主体を規制当局の認可制とし、発行時に米ドルや米国債といった流動性の高い資産で100%の準備金を確保することを義務付けています。ステーブルコインの信頼性を高め、安全な決済手段として普及させることを目的としています。

主な内容

発行の認可制:
- 連邦準備制度理事会（FRB）や通貨監督庁（OCC）などの当局から認可を受けた事業者のみがステーブルコインを発行できるようになります。
- 発行額の規模によって、連邦政府と州政府のどちらが監督するかが決まります。
準備金の確保:
- ステーブルコインの発行額と同額の準備金を、米ドルや米国債などの安全性の高い資産で保有することが義務付けられます。
- 「無担保型」のステーブルコインの発行は認められません。
情報開示と報告:
- 発行者は、保有する準備資産の構成を毎月開示する義務があります。
- 発行額が500億ドルを超える発行体には、年次監査を義務付けた年次報告書の提出が求められます。
マネーロンダリング対策:
- 発行者は、「銀行秘密法」に基づき、マネーロンダリング防止のための対策を講じ、取引記録の保持や不審な活動の監視・報告が求められます。

目的と影響

信頼性の向上と普及促進:
- 価格の安定性が確保され、信頼性が高まることで、決済や送金手段としての普及が期待されています。
米国のデジタル資産分野でのリーダーシップ強化:
- 米国がデジタル資産分野でのリーダーシップを確立し、米ドルの地位を維持・強化することを目的としています。
イノベーションの促進:
- 規制が明確化されることで、金融機関などが安心してステーブルコイン市場に参入しやすくなり、イノベーションが促進される可能性があります。

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